釈尊 涅槃の由来 沙羅の樹

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印度・クシナガラ
涅槃堂と沙羅の樹


涅槃仏
上の写真の涅槃堂の建物の中にある。


印度・クシナガラ
沙羅の樹(植樹林)


沙羅の樹の樹形
上の木を拡大した写真


沙羅の樹
古木の木肌



ネパール
沙羅の樹(自然樹林)


沙羅の樹の葉


沙羅の樹の葉のお皿
ネパールではお供え用として使われている。


仏陀は病まれた体で涅槃の地と決めたクシナガラを目指して旅を続けられました。
アーナンダ(阿難)[注1]とクシナガラの近くで休んでいると、マツラ国の王子ブックサが通りがかりました。ブックサは、仏陀に法話を説いて頂いた感謝の印に金色の絹衣を差し出しました。
アーナンダは早速その絹衣を仏陀に着せ掛けると衣の金色の輝きは色あせて、仏陀の肌が金色に輝き出しました。
アーナンダは驚いて仏陀に尋ねたところ、「成道の時と、涅槃に入る時に肌が金色に輝くのだ。今日の夜半、私はクシナガラで涅槃に入る。」と仰せられました。

クシナガラのこのあたりは見渡す限り沙羅の樹林が続いていました。
仏陀は「アーナンダ、私は疲れてしまったので横になりたい。二本並んだ沙羅の木の間(沙羅双樹)に、頭を北にして床を作っておくれ。」と仰せられました。
アーナンダはすぐに取り掛かりました。

仏陀は右脇を下に、足を重ねて伏せられました。
かくして、仏陀は永遠の涅槃に入られたのであります。
またそのとき、沙羅双樹の花は開き、仏陀に降り注ぎ、また天から曼荼羅華が降り注いだと伝えられています。

[注1] 従者・後の十大弟子の一人






植物としての「沙羅の樹」について

和名   サラソウジュ(沙羅双樹)
分類   アオイ目 Malvales
フタバガキ科 Dipterocarpaceae
Shorea属
学名   Shorea robusta
英名   Sal tree
別名   沙羅の樹(サラノキ)


上記の通り、この植物の学術的な和名は「サラソウジュ」ですが、当サイトでは「沙羅の樹」と表記しております。
「沙羅双樹」という名前の「双樹」は、当ページの伝承にある様に、仏陀が涅槃に入られた時に、二本の沙羅の樹の間に伏せられた事から来ています。
ですので、この植物は「沙羅の樹」と呼ぶ事がふさわしい、と考えております。


また、娑羅双樹(シャラソウジュ)、娑羅樹(シャラノキ)と呼ばれる植物がありますが、これは全く別の種類の植物で、和名「ナツツバキ(夏椿)」と呼ばれる木です。
ナツツバキは、学名 Stewartia pseudocamellia で、ツバキ科ナツツバキ属です。
日本の寺院では、沙羅の樹の代用として見かけます。



栽培中の沙羅の樹


沙羅の樹の美しい若葉


沙羅の樹
沙羅の若木は、幹が非常に細いのが特徴です。
葉は黄緑色で薄く無毛、手のひら位の大きさで、葉模様が美しいです。
新芽は赤茶色で、新葉は薄く風で擦れ合い傷つき易いです。
また、40度近い気温で、直射日光を受けても葉は萎れる事はなく、驚きです。

沙羅の樹は仏教だけでなくヒンズー教でも聖樹の扱いを受けています。
ネパールの首都である「カトマンズ」という地名は、「カシタ・マンダパ」という
寺院の名前が由来になっていますが、その寺院の建物は一本の沙羅の樹を材料として
建造されています。
この様に、インド・ネパールでは沙羅の樹は聖樹として大切に扱われています。



新芽の成長姿

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす・・・




沙羅の樹の若葉


沙羅の若葉の美しい葉模様
仏陀が涅槃に入られた時、沙羅の花が満開になり、花びらが降りそそいだと伝えられています。



日本で唯一、花が咲いた
水生植物公園みずの森(滋賀県草津市立)
の沙羅の樹
2013年4月撮影


沙羅の樹の花


沙羅の樹の花


花びらは一粒ずつ散る。


羽根の形をした実は花びらの後で落下する。


2013年08月25日撮影
同年11月現在では、鉢底より2mの高さになっている。

 




栽培方法

暑い地域であるインドの植物ですので、日本の冬を屋外で越す事については十分な注意が必要になります。
気温0度までは大丈夫ですが、霜には弱いので注意が必要です。

冬場は室内もしくはビニールハウスにて栽培して下さい。





株式会社イクタ  087-889-0330  担当: 生田 要助


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